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カブトガニ / 惣路紀通
¥1,200
[内容] 「進化に取り残された動物」や「生きた化石」と呼ばれ、2億年前から姿を変えることなく生き続けている「カブトガニ」についての熱い想いの詰まった1冊です。 歴史や生態、人類への活用法をQ&Aなどでわかりやすく解説してくれます。産卵期以外でもしょっちゅう「つがった状態」でいることから夫婦和合の象徴になっているなどのトリビアがぎっしり。学術書ですが楽しく読んでしまいます。カブトガニの貴重な写真や図版も豊富です。笠置市にあるカブトガニ博物館に行ってみたくなります。 また本書は、日本文教出版という岡山の地元に根付いたローカル出版社が1964年から作り続けている「岡山文庫」というシリーズの157冊目としてリリースされました。その土地に根差したテーマの文庫や新書などのシリーズものは良作の宝庫です。ローカリティという制限があるからこそ、企画力が磨かれて編集が輝く本が生まれるのだと思います。 [作者プロフィール] 惣路紀通(そうじ のりみち) 1956年、山口県光市に生まれる。別府大学卒。1980年同大学生物学研究生のときに別府湾のカブトガニ生息調査を行い、九州東海岸において初めてカブトガニの生息地を確認。1982年笠岡市立カブトガニ保護センターに着任。2017年カブトガニ博物館長を退職、2018年引き続き館長(嘱託)として就任。著書に「カブトガニ」(日本文教出版)、「自然への想い 岡山」(共著、山陽新聞社)、「カブトガニ」(山陽新聞社)、「カブトガニからのメッセージ」(文研出版)、「カブトガニの謎」(誠文堂新光社)等多数。 [書誌情報] タイトル:カブトガニ 著者:惣路紀通 シリーズ:岡山文庫157 出版社:日本文教出版 刊行日:1992年7月10日 判型:文庫判/ビニールカバー付 頁数:176P [状態] 古書としては良好状態です。画像でご確認下さい。中身に書きこみや角折などはありません。
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本を書く / アニー・ディラード
¥1,800
[内容] 素晴らしい造本です。めくり心地のいい紙の手触り。細部までこだわりが貫かれた工芸品のような本です。フォントは、読みやすさとか、目が疲れないとか、実用的なことを考えて選ばれるのだと思っていましたが、上質な時間が過ごせるフォントと色遣いもあるのだということを教えてくれました。 題名の通り「本を書く」ということの喜びと苦しみについて書かれています。何かを書きたい人を鼓舞し戒めてくれる本なので、机の隅に置いてペンシャープナーにしたい1冊です。 著者のアニー・ディラードは1945年、アメリカのペンシルベニア州ピッツバーグに生まれました。『ティンカー・クリークのほとりで』で、1975年度のピュリッツァーを受賞。自然環境をめぐるノンフィクション文学やエッセイなどの、ネイチャーライティングという流派に分類されることがあります。 装丁を目と手で感じたら、つづいて流れるような文章で音を味わえます。彼女の美しい文章をぜひ一読して見て下さい。 「人はだいたい同じものをこよなく愛す。主題を探している作家は、自分がもっとも愛するものはなにかを押すのではなく、自分だけが愛するものはなにかを探す。奇妙なものが、私たちをとらえる。ファンク・コンロイはヨーヨーを操るのが好きだったし、エミリー・ディキンソンは斜めの光線、リチャード・セルガーはきらめく腹膜いフォークナーは梨の木に登った少女の泥に汚れたブルマーという具合に。「シダを学ぶ学生はだれでも、なんらかの理由で感情を掻き立てる自分だけの植物リストを持つようになる」とどこかで読んだことがある。 人間の特別な性癖-ものごとに夢中になること―について書かれたものが、なぜないのだろう。他々だれからも理解されない自分だけが夢中になるものについて書かれたものが。その答えは、それこそまさに、あなたが書くテーマだからだ。なぜかはわからないが、あなたが興味をそそられるものがある。書物で読んだことがないので、説明するのがむずかしい、と、そこから始めるのだ。あなたはそのことに、あなた自身の驚きに、声を与えるために、存在するのだ。」 本文より [作者プロフィール] アニー・ディラード 1945年アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ生まれ。ヴァージニア州ロアノークのホリンズ・カレッジに学ぶ。『ティンカー・クリークのほとりで』で、1975年度のピュリッツァーを受賞。自然環境をめぐるノンフィクション文学やエッセイなどの、ネイチャーライティングという流派に分類されることも。日本語訳されている著書に『アメリカン・チャイルドフッド』『石に話すことを教える』などがある。 [書誌情報] タイトル:本を書く 著者:アニー・ディラード 出版社:パピルス 刊行日:1996年11月29日 判型:A5変形判14x1.6x21.7cm/ハードカバー 頁数:138P [状態] 古書としては良好状態です。天地小口に経年によるシミがあります。画像でご確認下さい。中身に書きこみや角折などはありません。 [特典] 「Papyrus letters」という出版社からのフリーペーパー付きでお届けします。
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海のまちに暮らす / のもとしゅうへい
¥900
SOLD OUT
[あらすじ] 「この本に収録されている文章の多くは、真鶴へ移り住んだ2022年のあいだに書かれたものだ。当時は生活の移り変わりを記録することに少なからぬモチベーションがあった。自分のなかにある価値感の主軸が短いサイクルで目まぐるしく破壊され、新たにつくり替えられていく時期だった。その変化は働動的なエネルギーを伴ってい自分の身体を次なる興味へと引っ張っていく感覚があった。そしてその速度はおそらく一つの若さの姿として、あっという間に僕をこの町へ連れてきてしまったように思う。」 あとがきより 本好き、本屋さん好きなら、気になっている方も多いのではないでしょうか。「泊まれる出版社 真鶴出版」さんからリリースされた随筆集です。 真鶴で暮らした日々の生活を書き留めた全15話のエッセイが収録されています。2021年の秋。東京の美術大学を休学すると決めた著者。時代はコロナ禍。学校や会社の機能が麻痺していた、あの頃のことです。それまでは豊島区のワンルームで暮らしていた著者は、2022年に真鶴へ移住。 「神奈川県の南西から相模湾へ突き出した小さなでっぱり」のような真鶴市。人口6,000人ほどの静かな港町。寝室の障子をあけると海が見える平屋で始まった新しい暮らし。真鶴出版にインターン生として働いた日々が文章と4コマ漫画で綴られています。 [作者プロフィール] のもとしゅうへい 1999年高知県生まれ。2020年より企画・執筆・編集・装幀までのすべてを個人で手がけるセルフパブリッシングの活動を開始。2024年芸術総合誌『ユリイカ』による現代詩の年間新人賞「ユリイカの新人」に弱冠25歳で選出され話題に。著書に、小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』。文筆のほか、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなどの制作を行う。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程在籍。 [書誌情報] タイトル:海のまちに暮らす 著者:のもとしゅうへい 装幀:のもとしゅうへい 出版社:真鶴出版 刊行日:2025年2月28日 判型:B6判 頁数:120P [状態] 表紙にヨゴレ、毛羽立ちがあります。画像でご確認下さい。中身に書きこみや角折などはありません。読んでいただく分には問題ありません。