-
1973年の軟式野球ボール / 萩田洋文
¥990
[内容] ボロボロに風化した軟式野球ボールをフリマーケットで売っている人がいて、それを買った山下陽光さんがいて、それをもらった著者がいて、そこから始まる失われた野球の物語……。 誰かが草むらに忘れた軟式野球ボールと、誰かが切り抜いた1973年の新聞記事の邂逅。 "プレーの外にこぼれ、草むらに忘れられたボール。迷子のボールは、野球を見失ったとも言えるだろう。どこかの、いつかの、誰かの野球。河川敷で犬の散歩をする人が横目に眺める風景としての野球。ジョギングする人が通り過ぎる野球。橋梁を通過する電車の車窓から束の間、少し遠くに見える野球。世界そのもののような野球。草むらに忘れられた軟式野球ボールは、野球から遠く離れて、いつでも野球を俯瞰している。"「失われベースボールを求めて」より引用 [目次] 茂みの中のロストボール 失われベースボールを求めて 1973年の新聞切抜 この野球ではない 野球がない時代があった 世界のどこかで劇的な逆転劇が 野球のヒストリー 歓楽街の奥にある野球 軟式野球ボールは噴水の方へ落ちて行く [書誌情報] タイトル:1973年の軟式野球ボール 著者:萩田洋文 出版社:古書自由 刊行日:2025年7月3日 判型:A6文庫判/箔押カバー装 頁数:50P
-
文集ナンバー3工作セット / 萩田洋文
¥880
[内容] 様々に名前を変えて七変化的活動を続けている萩田洋文a.k.a古書自由 ツチノコ珈琲さんによる奇想のZINEシリーズ。こちらは切り離すことで完成する、工作型のZINEという趣向で、読者参加型です。 けっこう切り離すの大変そうです(笑) 私はたいへん不器用なのでそのまま読みました。器用な方は切ってみて下さい。短冊型の一筆箋みたいな縦長のZINE『端末の故障によって露にされた日常、さえも』『鳩アカデミーへの手紙』『紙の画廊』の3冊が生み出されます。 『端末の故障によって露にされた日常、さえも』は、「端末を地面にたたきつける代わりに、M・デュシャンを写経しませんか?」ということで、便器に『噴水(泉)』という題名をつけて展示し、レディメイドという概念を美術界にたたきつけたダダイズムの美術家マルセル・デュシャンの作品名の写経ができるZINEです。 『鳩アカデミーへの手紙』は手紙形式の小説です。 『紙の画廊』には赤線が引かれているのですが、これは著者が1冊1冊手書きで赤ボールペンで描いたそうです。なんでそんなことになっているかというのは、最後のページを読むまでわかりません。 私自身、この解説でいったい何を言ってるんだと思いましたが、かなり正確にお伝えしたつもりです(笑) 奇想の巨匠による風変わりなZINEです。お試しあれ! [書誌情報] タイトル:文集ナンバー3工作セット 制作:Fool & the Gag 発行者:萩田洋文 出版社:五十部上梓会/古書自由 刊行日:2022年3月3日 判型:A5判/ペーパーバック 頁数:60P
-
ragan026 wipeout / 若生友見
¥800
[内容] 「表紙の登場人物がレモンを持っている」でお馴染みのテレビガイド誌『ザテレビジョン』。そして「丸善で檸檬を爆破させる」でお馴染みの梶井基次郎の小説『檸檬』。 レモンで紡がれた見事なマッシュアップ作品です。 著者の制作のモチベとなった「全国各地の書店に並ぶ『ザテレビジョン』が一斉に爆発する」という妄想力に感服! [著者メッセージ] "2019年に製作した「ragan No.026 wipe out」は梶井基次郎の『檸檬』を使用した文庫サイズの作品です。 イラストを中心としながら、文庫本として成り立つようレイアウトしています。『檸檬』は著作権が切れた作品のため全文引用しています。 私は修士時代に大学近くの書店でアルバイトをしていました。レジでヒマなときにしていた妄想というのが、「全国各地の書店に並ぶ『ザテレビジョン』が一斉に爆発する」というものでした。 これは表紙を飾るタレントが(ほぼ)必ずレモンを持っている雑誌『ザテレビジョン』と、梶井基次郎の著作『檸檬』のラストシーンの妄想を合体させたものです。"(『ROADSIDERS'weekly』2024年08月07日 配信号より) ☟都築響一さんのメルマガ『ROADSIDERS'weekly』で連載中 「デザインの世間体009」レモンエロウの企み (写真・文:若生友見) https://roadsiders.com/backnumbers/article.php?a_id=2784 [シリーズ概念] 色眼鏡をはずして、もう一度よく見てみよう。 「これまでの概念を覆す」ような大それたことではありません。今までの経験や生活上の暗黙の了解のせいでよく見えていなかった部分や、たとえ見えていてもあまり意識されることなく数秒後には忘れてしまうような、そんな日常に点在する、ちょっとした違和感や疑問。それらを本の形に落とし込み、反復させ、日常的な意味を剥いでしまうとただの図となり、そこに「物そのもの」が見えてくるはずです。 さて、毎日毎日見ているごく普通の風景は、本当に“普通”の風景なのでしょうか。 選挙ポスター、漫画雑誌の小口、新聞のおくやみ欄、花環、ネオンサインなど、目に見えているのに意識の外にすぐ出てしまうような、グラフィックデザインとして認識されにくい存在へ焦点を当てています。 [著者プロフィール] 若生友見 わこう・ともみ 1986年 宮城県生まれ。東北芸術工科大学 情報デザイン学科 グラフィックデザインコース卒業。東北芸術工科大学大学院 ビジュアルコミュニケーション研究領域 修士課程 修了。雑誌編集を経験し現在フリーランス。 都築響一さんのメルマガ『ROADSIDERS'weekly』で紹介されているインタビュー記事が詳しくて面白いのでぜひご覧ください☟ 「裸眼の挑戦——若生友見とragan books」 https://roadsiders.com/backnumbers/article.php?a_id=559 [書誌情報] タイトル:ragan026 wipeout 著者:若生友見 出版社:raganbooks 刊行日:2019年7月12日 判型:A6文庫判/ZINE 頁数:24P
-
ヰタ マキニカリス1 / 稲垣足穂
¥100
[内容] 代表作の「一千一秒物語」収録。「チョコレット」「星を造る人」など。天体と人間の"意想外なもの同士の連結"によって独特の詩的宇宙空間が広がっています。 当時まだ夢の遊民社を率いていた野田秀樹による「異端児は、みなイタンでいる」という解説付きです。 [書誌情報] タイトル:ヰタ マキニカリス1 著者:稲垣足穂 出版社:河出書房新社(河出文庫) 刊行日:1986年4月1日 判型:A6判/文庫 頁数:285P [状態] 帯に折れがありますが、表紙周りは良好です。中身に書きこみや角折れなどはありません。
-
バサラ人間 / 長尾みのる
¥800
[内容] 阿佐ヶ谷にある夜の喫茶店〈よるのひるね〉が、1969年に発表されたイラストとストーリーの合体「イラストーリー」を36年ぶりに復刊させたのが本書です。 当時の若々しかった新宿を舞台にした自由な「バサラ人間」たちを活写しています。 「貧者と富者、価値と反価値、強者と弱者、オスとメス、ウソと真実、いっさいの差を等価にした世界、それがバサラ的世界だよ……」 巻末のインタビューが出色で、大いに影響を受けました。水すましのように流れに逆らわず、でも流されずに生きたい。フーテン、ヒッピー、バサラ人間。自由を愛する都市の風来坊の生き方に感銘を受けました。 赤と緑のイラストもめちゃくちゃかっこいい! [書誌情報] タイトル:イラストーリー バサラ人間 著者:長尾みのる 出版社:よるひるプロ 刊行日:2005年6月1日 判型:166mm×107mm 頁数:159P [状態] 中古品としては普通です。中身に線引き跡があります。