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しらい弁当日記 2024年4月~2024年9月 ここになじむ / しらい弁当
¥1,000
[内容] 毎日のお弁当のメニューから始まる『しらい弁当日記』の第6巻です。 2022年の秋頃から人生の転機を迎え、翌年の秋に引越し。台風のような日々が過ぎ、家も職場も変わって、新たな生活が始まります。 脱皮を終えて、新しい環境やそこでの自分自身になじんでいき、まだ亡霊のように現れる過去とが交差するような時期と言えばいいでしょうか。暗い道をふっと抜けたような爽快感があります。 人生の移行期に何が起こるかを理論的に説明してくれる『じぶん時間を生きる TRANSITION』という本がありますが、その詳細なケーススタディの具体例のように感じられました。ミッドクライシスによる3年間の移行期間の日記を、通して読むという体験はとても貴重でした。 現時点ではこちらが最新刊ですが、まだまだ日記は続いていきます。次作を楽しみに待っている日記シリーズです。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2024年4月~2024年9月 ここになじむ 著者:しらい弁当 刊行日:2025年5月 判型:B6判/ZINE 頁数:186P
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しらい弁当日記 2023年10月~2024年3月 いつもと同じ朝がくる / しらい弁当
¥1,000
[内容] 毎日のお弁当のメニューから始まる『しらい弁当日記』シリーズの第5巻です。 第3巻の「棚から本が落ちる時」から始まった人生の転機。怒涛の日々が押し寄せてきて、多忙も疲労もストレスもピークに達します。まさに台風。渦中の記録です。 大前研一曰く、人生を変えるには3つしかないと。時間配分・住む場所・付き合う人の3つを変えれば人生は変わるそうです。その中でも強制的に変化をもたらすのは引越しだと思います。転居をすると必然的に他の2つも変わらざるをえないことが多いからです。 そんな人生の大きな変化を巻き起こす、引越し。その前後に起こる、別れと出会い。新しい自分への変わっていく過程では、古い自分が抜け殻のようになっていくという時期があるのだなと、ヒリヒリするような気持ちで読みました。精神と肉体が連動してデフレスパイラルのように下降していく日々。腰が痛くなるのってこういう時期ですよね。 「これまでの自分を敢えて駄目にしていく」ような、自覚的な自分潰しのような期間。人生の移行期間のなかでも、最もしんどい時期だと思われます。ミッドクライシスの渦中にいる方、人生の変化の予兆を感じている30~40代の方にはとくにおすすめしたい1冊です。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2023年10月~2024年3月 いつもと同じ朝がくる 著者:しらい弁当 刊行日:2024年12月 判型:B6判/ZINE 頁数:184P
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しらい弁当日記 2023年3月~2023年9月 きっと忘れちゃうんだろう / しらい弁当
¥1,000
[内容] 毎日のお弁当のメニューから始まる『しらい弁当日記』シリーズの第4巻です。 風雲急を告げた3巻目では、人生のターニングポイントを迎えた著者。節目へと動き出していく変化の日々が綴られていきます。長年住み慣れた家を離れていく心境、ここに長く留まってはいられないというような焦燥感、日記やイベントへの傾倒、職場での人材育成の難しさなど、日記は佳境に入っていきます。 筆がのっていますねぇ。日々を記録することに慣れ、自由に心境吐露ができて、日記を乗りこなしています。 日記は書くことで本人に効能をもたらしますが、他人の日記を読むことにはいったいどんな意義があるのだろうかと思っていました。『しらい弁当日記』を読み続けてきたことで、日記の読み手にも、特有の面白さと効能があることを実感したのはこの巻でした。 日記は、境遇・年齢・性別・生活圏などが異なる多様な書き手のリアルな人生の詳細であり、読み手側の環境もまた一様でないので、その組み合わせにより面白さが増すのだと思います。 違うバックボーンを持って生まれた、もしくは似た境遇を生きている、書き手と読み手の組み合わせによって、作品の意義が変化することが「本来読まれるためのものではない日記を公開すること」の面白さではないでしょうか。 『しらい弁当日記』を、読み手である私は「少し年上の似た境遇の同性によって生きられた未来の記録」として受信しました。共感がベースにあり、未来予想図をもらえたように感じました。他人の日記を読むことの面白さを教えてくれる1冊です。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2023年3月~2023年9月 きっと忘れちゃうんだろう 著者:しらい弁当 刊行日:2024年5月 判型:B6判/ZINE 頁数:172P
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しらい弁当日記 2022年10月~2023年3月 棚から本が落ちる時 / しらい弁当
¥700
[内容] 毎日のお弁当のメニューから始まる『しらい弁当日記』シリーズの第3巻です。 タイトルがちょっと気になりますよね。「棚から本が落ちる」。なにが起きるのでしょうか。不穏な空気のなか、読み始めると早々に人生の転機が訪れます。家族との不協和音が重低音のように響き、職場でも精彩を欠く日々。つらいのです。が、私はこの巻で一気に『しらい弁当日記』ファンになりました。 自分も同じような経験をしたことがあったので共感しましたし、しんどい境遇からのレポートには特別な力が籠っているように感じられるからです。 日記は人生を支えてくれるもの。特に自分史のなかで前例のない大きな変化に立ち向かう時には、日記はとてもよい相棒なのだと教えてくれる1冊です。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2022年10月~2023年3月 著者:しらい弁当 刊行日:2023年3月 判型:B6判/ZINE 頁数:112P
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しらい弁当日記 2022年4月~2022年9月 / しらい弁当
¥1,000
[内容] 毎日のお弁当のメニューから始まる『しらい弁当日記』シリーズの2巻目です。前回は日記をつけ始めたことで、徐々に新しい人生が始まっていくところでした。 そのきっかけとなった下北沢の〈日記屋月日〉のワークショップ「日記をつける三ヶ月」が終わってしまいますが、防災サバイバルキャンプ(楽しそう!)に参加したり、本を読んだり映画やイベントに行ったりと、文化的な活動が多く楽しそうな日々が綴られていきます。 この期間はプライベートの文化活動と、フルタイムで働いている職場の話がメインで綴られています。多忙な日々のなかでも、リズムよくお弁当やごはんの話題が、まるで差し入れのように挟み込まれていきます。 仕事や趣味に忙しいときに、一瞬その渦中から離れられる切替ポイントのようなものがあると、日々の生活が整えられるんだなと気づかせてもらえました。それが著者の場合はお弁当だったのだろうなと感じます。お弁当の効能がじわじわ効いてきます。 "楽しく歳をとっていることを見せることが、若い人に対する、大人の仕事なんだろう" という言葉を体現したような1冊です。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2022年4月~2022年9月 著者:しらい弁当 刊行日:2022年12月 判型:B6判/ZINE 頁数:166P
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しらい弁当日記 2021年8月~2022年3月 / しらい弁当
¥1,000
[内容] 2025年6月現在で、6巻まで刊行されている『しらい弁当日記』の第1巻目。一瞬ドラえもんと空目する印象的な日の丸弁当の表紙を、最初に見かけたのは下北沢の日記専門店〈日記屋月日〉でした。日記が膨大に置いてある店内のなかで、しっかりと脳に刻まれる存在感を放っていたので、実際にZINEイベントでお会いする機会があった時には「あのしらいさん!」と思ったのでした。 1巻は、2021年8月のまだコロナが明けきっていない時期からのスタートです。2022年1月から下北沢の日記専門店〈日記屋月日〉のワークショップ「日記をつける三ヶ月」に参加したそうで、お弁当のメニューが中心だった備忘録的な日記から、仕事のあれこれや読んでいる本の感想、旅行や散歩のことなど、日々生きられている生活全般にテーマが広がっていきます。 日記をつけて発表したり、みんなで一緒に書いたり、見せ合ったり。日記をつけ始めたことで人生が切り開かれていく様子がありありと目に浮かんできます。「日記をつけたいけど、続けられるかな? 何を書いたらいいのかな?」という方におすすめしたいシリーズです! 私がお弁当に抱いていたイメージは「誰かが作ってくれたもの」「誰かに作ってあげるもの」という呪縛があったのですが、「自分のために丁寧にお弁当をつくる」ことができるのは、自分を大切にしている証なのではないかと思うようになりました。 [書誌情報] タイトル:しらい弁当日記 2021年8月~2022年3月 著者:しらい弁当 刊行日:2022年6月 判型:B6判/ZINE 頁数:164P
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続・笹塚diary ひとりで歩く篇 / 佐藤舞
¥900
[内容] いつか愛する笹塚の地で本屋を開きたいという〈カルガモBOOKS〉佐藤舞さんによる日記ZINE『笹塚diary』の続編です。2024年11月~2025年1月分の日記が収録されています。 前回の日記作品では家族やパートナーとの繋がりを大切にすることをベースに、自分にとっての心地よさを捉え直す期間だったと思われる著者が、新しい日々を歩き出す第2弾です。 自分の人生を諦めないという決意をしてから、半年後ぐらいに訪れた新しい局面。日々の生活に変化が訪れ、予期しない出来事が起きたり、新しい喜びを見つけたり。変化を受け入れて歩くことによって、少しずつ古くなった自分の殻を脱ぎ捨てていくような軽さが、読んでいてとても心地いいです。 [著者からのメッセージ] 大好きな笹塚の街で再び日記を書き始め、日記本『笹塚diary』をつくった。そして今度は、この街から足を延ばして、ひとりで歩いてみることにした。即売会、書店巡り、日記のワークショップ、読書会、そして新たな出会い。ひとりで歩けてこそ誰かとともに歩けることを知り、私はまた笹塚へ帰る。もう二度と自分を諦めないと誓った女が本を作ったあとの日々のこと。 『笹塚diary』は、もうただ笹塚の街が大好きで、この日々を書き残しておきたくて、そしてまた「書きたい」自分になれたことがうれしくてつくった、個人的な一冊です。だから最初の想定読者は50人ぐらいでした。学校のひとクラスよりちょっと多いぐらい。 その想定を実売が超えたことをきっかけに増刷し、その後、書店さんに置いてもらったり、自分でも即売会で販売したりするうちに「大好きな街、笹塚での暮らしを、新しい家族のかたちを探る日々を、一人でも多くの人に知ってもらえたら」と思うようになりました。 今回の続編は、読んでくれる方の顔を具体的に想像しながらつくりました。「次の本も楽しみ」と言ってくれた人や、実際に読んでくれそうな人の顔を思い浮かべながら、日記の原稿をまとめました。 前作を売るときの思いが「多くの人に読んでもらいたい」だとするなら、この続編は「日記を本にした後には、こんな日々が続いていたんだよ。報告させて!」という気持ちです。そのため、自己紹介的な日記は減らし、その分、本作りや販売について具体的に書いた日記を入れるようにしました。 さらに、1月に参加した日記のワークショップで書いた日記も収録しました。ブログや手帳とは違い、6人のメンバーに向けて書いた日記は、「心を伝える」「自分をさらけ出す」ことを考えるきっかけになりました。前回よりも内省的な日記が増えた気もしています。 特に本を作ることや日記のワークショップに興味を持っている人、『笹塚diary』を読んでくださった人に届いたらうれしいなと思います。 [著者プロフィール] 1982年静岡県生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。 レコード会社・劇場・出版社・大学勤務を経て、現在は広告代理店の制作ディレクター。15歳男子と二人暮らし。そそっかしいミーハー。 [書誌情報] タイトル:続・笹塚diary 著者:佐藤舞 装丁:飯村大樹 出版社:カルガモBOOKS 刊行日:2025年4月6日 判型:B6判/ZINE 頁数:118P
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笹塚diary / 佐藤舞
¥700
[内容] "子どもの頃からずっと、大人は無理をするものだと思っていました。歳を重ねて家族を持ち、自分よりも大事なものができたとき、やっと無理を覚えて大人になれたと思ったのです。でもそれは、なぜか居心地の悪い場所でした。 自分と対峙できなくなった私は、日記が書けなくなりました。それまで「無理」だと思っていたものは、自分のエゴに過ぎなかったことに気づいたのです。四十を過ぎて立ち行かなくなった私は、これまで築き上げたものを壊し、心地が良いと感じられる街で新たな生活を始めました。 これは、自分のあり方と人との関係性を再び構築していこうとする女の生活日記です。そしてこの本は、もう自分の人生を諦めたりしないという決意表明であり、何より笹塚の街への熱いラブレターです。"(「はじめに」より) いつか愛する笹塚の地で本屋を開きたいという〈カルガモBOOKS〉佐藤舞さんによる日記ZINEです。本の雑誌の目黒孝二『笹塚日記』のオマージュで書き始められ、2024年1月1日から10月31日までの日々が綴られています。 ミッドクライシス真っただ中の40代。離婚してシングルマザーになり、仕事と家事と育児に追われる忙しい日々のなかで、女の人生をもう一度生き直すという爽やかな決意のもとに瑞々しく生きられていく毎日。 日記をつけて内省すること。女としての自分のありのままの感情も封じ込めないこと。ごはんを美味しく食べたり、大好きなカモを見たりして、軽やかにスキップするように生活を楽しむこと。 ふわりとした風が吹き込んでくるような、心地よいエッセイのような読後感。この日記を読んでいると、失ってしまった生活の潤いが戻って来るようです。 幸せというのは粒の小さなものだから、気づけなくなったり見えなくなったりしてしまうんだということを気づかせてくれます。著者は幸せを味わう天才です。 [著者プロフィール] 1982年静岡県生まれ、日本大学芸術学部文芸学科卒。 レコード会社・劇場・出版社・大学勤務を経て、現在は広告代理店の制作ディレクター。15歳男子と二人暮らし。そそっかしいミーハー。 [キーワード] 笹塚/シングルマザー/離婚/結婚/ロスジェネ/渋谷〇〇書店/恋愛/独立系書店/読書/図書館/パン/カレー/散歩/カモ/中学生男子/ゴールデン街/偏見/古本/夏葉社/島田潤一郎さん/植本一子さん/金川晋吾さん/下北沢/代田橋/高円寺/乃木坂46/アイドル/沼津/さるさる日記/メモライズ/はてなブログ7 [書誌情報] タイトル:笹塚diary 著者:佐藤舞 装丁:飯村大樹 写真:宇佐美亮 出版社:カルガモBOOKS 刊行日:2024年12月1日 判型:B6判/ZINE 頁数:124P
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起立、気をつけ、今から本屋を始めます。/ 船張真太郎
¥880
[内容] 「学校の先生が教師を辞めて本屋さんになる??」 「チョコパイ1日に4個食べる」 「それはいいとして〈ブタコヤブックス〉って名前のインパクトすごっ!」 noteで初めてブタコヤさんをお見かけした時の第一印象です。 〈ブタコヤブックス〉という名前とロゴの3匹の子ブタがキマイラみたいでキモ可愛かった(褒めてます)ので一発で覚えました。 ということで、noteの2024年頃から書いている本屋開業日記ガチ勢のなかでも先陣を切ってオープンされるのではないでしょうか。名古屋の笠寺という情緒ある町に物件が決定するまでの悲喜こもごもが描かれています。 「いつか本屋になりたいんだよね」という方、たくさんいらっしゃるかと思うのですが、この本を読むと期待と不安と困難でいっぱいの物件決定までの道のりや、本業を辞めて新しい環境でのスタートという2大開業イベントが疑似体験できます。 そしてなんと〈ブタコヤブックス〉という名前の由来に、想像していなかった感動がありました!冒頭から明かされますので、楽しみにしていてください。 そうそう「量産型あんこ型ロボ」という章に、自分に似てる人がたくさんいるという話が出てくるのですが、小学校の時の恩師に船張さんがそっくりでした!こんな先生の元で育ったら、子供たちもすくすく育つだろうなという明るく元気で熱血漢な先生の、本屋への挑戦。 地域の子供たちの放課後の溜まり場になる本屋さんの絵が浮かんできました。 [著者からのメッセージ] 小学校の教員を16年間勤めた著者が本屋を始めようと決意してから、物件を決定し、小学校教諭を退職するまでの期間に書き溜めた開業日記を、一冊の本にまとめました。表紙のブタさんの絵は、バナナジュースをご馳走するという条件と引き換えに、娘が描いてくれました。裏に潜むブタさんは、便乗した息子によるものです。 [著者プロフィール] 船張真太郎・フナバリシンタロウ 愛知県名古屋市の新刊書店「ブタコヤブックス」店主(令和7年7月OPEN)。16年勤めた小学校教諭を退職し、書店経営と小学校の非常勤講師を両立する新たな道へ進むことを決意。開業日記を発信。店舗オープンに合わせてZINE『開業記』の製作を予定。チョコパイを1日に4つ食べた経験あり。会議中に栗を食べ、叱られることが多い。 [書誌情報] タイトル:起立、気をつけ、今から本屋を始めます。 著者:船張真太郎 出版社:ブタコヤブックス 刊行日:2025年4月1日 判型:A6文庫版/ZINE 頁数:122P
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California before after / 疋田千里
¥550
[内容] 「おはしのある風景」を探して日本各地やアジア圏を旅しているフォトグラファーの疋田千里さん。本作ではアジアを飛び出してアメリカへ向かっています。 2023年6月のカリフォルニアへの旅の前後の心境を綴った、リソグラフプリントによるZINEです。写真+イラスト集の『California』と併せて読んでいただくと、ビジュアルとテキストで鮮やかにカリフォルニアの旅を追体験できると思います! 旅に出るときのフレッシュな気持ち。異国の地への不安。拠り所のなさと、新しさへの欲求とがないまぜになった心境。本作を読んでいると、そんな旅心地に誘われて、束の間のあいだ憂いの多い日常から離陸することができました。 [書誌情報] タイトル:California before after 著者:疋田千里 刊行日:2023年11月11日 判型:A6判/ZINE 頁数:24P
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Be Independent! 独立日記 本屋への道 #01 / 平沢二拍
¥1,000
[内容] はじめましての方のために、簡単に自己紹介しますね。1982年に東京都の小平市というところに生まれ、都内10ヶ所を転々と引越したのちに、大久保の多国籍タウンに流れ着きました。6年ほどJ堂書店の新宿店に勤めてから転職し、現在は企業内出版部で編集者をしています。書店ではローカル出版&リトルプレスの棚を担当したり、出版部ではへんてこな旅の雑誌をつくっていました。独立系書店でZINEやひとり出版社の本を買ったり、単館映画館でカルト映画を観たり、旅先で知らない人や場所に出会うことが好きです。あとは中学生の頃から憧れていた格闘技を、四十路目前で始めまして、今でもキックボクシングを続けています。 この日記は、ある日、衝動的に始めました。今勤めている会社でつくっていた雑誌が休刊になり「もう本づくりに関われないかもしれない……」そんな不安でいっぱいになったのです。「いつかきっと、自分の出版社と本屋をつくって、生きていくんだ」そう思い続けて、もう何年経ったでしょうか。自分以外の他人の声によって、本をつくらされたり、売れなくなったり……。そんなことにはもうこりごりです。それなら自分でやるしかないなと思い、はじめの一歩を踏み出してみることにしました。 Nuts Book Standという名前は、ナッツってなんかいいなぁと思ってつけました。カシューナッツ、ピーナッツ、クルミ、アーモンド……。様々な姿かたちを想像させてくれる多様性と、いびつなフォルムの愛らしさが気に入っています。調べてみると、英語のスラングでは「~に狂っている、熱狂的な」という意味もあるようです。これまで偏愛本をつくったり集めたりしてきたので、そんなイメージにもぴったりだなと思っています。 ブックスタンドとしたのは、香港を旅した時に見かけた、ストリートに溶け込んだ雑誌の売店が、かっこよかったのが脳に焼きついていたからです。扉の写真です。「ちょっと気軽に本でも見てみる?」という感じのラフな本屋さんにしたいなと思っています。出版社としても「本で立つぞ」という志の表明になっています。会社勤めをしながら土日に活動していますが、軌道に乗せて独り立ちしたいです。 本書に収録した日記は2024年12月12日から31日までの、まだ本屋という意識が芽生える前の時期に書いた日記です。この日記を書いていた冬。霧の中にいるようにすべてが曖昧で、自分が何者なのかもわからず、道に迷っているような時期でした。灯りに吸い寄せられるように本屋を訪ねては、大切な言葉をかけてもらいました。 しんどいことがあっても、この独立日記を書いている間は、本屋でいられます。自分の心の声に耳を澄ませて、ひとつずつ慎重に言葉を選び取っていくうちに、自分のやりたいことや感じていることの輪郭が、くっきりとしたかたちに見えてくるようになりました。日々の出来事を重ねていくうちに、ほんの少しずつですが、私は本屋になっていくのだと感じています。 (Intro / Outroより抜粋) [目次] 2024.12.12 将来の現実 2024.12.13 ミッドライフ・クライシス 2024.12.14 手書きから一瞬でテキスト変換してくれるアプリがすごい 2024.12.14 週末に未来時間を始める 2024.12.15 無印良品の本棚で自宅を本屋っぽく 2024.12.16 書くテーマをたぐりよせる 2024.12.17 朝活と日記習慣 2024.12.18 Amazonアソシエイトのツールバーが表示されない夜は。 2024.12.19 会社組織で幸せに働くことはできないのだろうか? 2024.12.20 退職理由は後ろ姿 2024.12.23 もし明日会社を辞めて本屋をやるとしたら? 2024.12.24 本屋の存在意義を考える 2024.12.25 10,000 文字チャレンジやってみた 2024.12.26 どこに本屋を開くのか? 2024.12.27 日記をつけることの効能と反省 2024.12.28 「書きたい」と「読みたい」の調和 2024.12.29 「本屋という商売」から「本屋という生き方」へ 2024.12.30 アメリカに行きたい 2024.12.31 言語化についてのインスタライブ感想 [書誌情報] タイトル:Be Independent! 独立日記 本屋への道 #01 著者:平沢二拍 出版社:Nuts Book Stand 刊行日:2025年4月12日 判型:A5判/ZINE 頁数:45P
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大工日記 / 中村季節
¥1,000
[内容] とある本のイベントで出会った日記ZINEです。 著者自身によるキャッチコピーに目が釘付けになりました。 「イギリスで夢破れ利尻島で昆布を干したりアザラシと交信しながら暮らしていた"私"が家業を継いで大工の見習いをはじめた最初の数ヶ月の記録です。」 え?一体どうなってるんですか?小説ではなくて日記で?日記でそういうあらすじ? まだ読んでいませんし、前情報も何もなかったのですが、仕入れずにはいられませんでした。 夢中で読みました。想像以上でした。 ドープな大工の現場のこと、家族のこと、恋愛のこと、アウトローであること、日本に馴染めない日本人であること、ひとりの女であること。 疾走するユーモアセンスと、優しい繊細さの絶妙なバランス感覚。 全人類必読の書として、会う人会う人に薦めようかと思ってしまいました。 迷わず読め!読めばわかるさ! [書誌情報] タイトル:大工日記 著者:中村季節 刊行日:2024年12月8日 判型:文庫判/ZINE 頁数:128P
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本屋さんになりたいんだけど日記 / LAZY BOOKS
¥3,000
SOLD OUT
[著者からのメッセージ] 本屋さんになりたい!だけど、本屋で食っていけるかわからない。というか本の仕入れ方も、店の始め方も、何一つわからない。だからまずは日記をつけることにした。本屋さんになるまでの葛藤と試行錯誤の日々を開店に向けて記録するのだ。 日々の仕事の忙しさや、ぐうたらな休日で、何も進まない時もある。本屋でただ本を買っているだけで実際は1行も読んでいない日もある。それでも夜、布団の中で思う。やっぱり、本屋になりたい! 本屋さんになる妄想だけは、いつもしてきた。お店をやるならグッズも作りたい。カレンダーもいいし、トートバッグも欲しい。あとは、本屋をやるだけだ!(はよやれ) 日々進んでいるふりをするために、日記を付ける。だけど怠惰な生活と、本屋開業への妄想の記録。 [内容] わかります、わかります。ということは人は(というか本屋の卵は)日記を書かなくなった時に本屋になれるんでしょうか。永遠の悩みですね。 そして造本がめっちゃ素敵です。W表紙で真ん中まで読んだらひっくり返して読むトリッキーな装丁に惹かれました。同時進行で進む2人の日記を時系列で読んでもよし、1ずつ読んでもよし。そのために天地にスピンが2つ付いていて、それもまたいい! [著者プロフィール] かねだゆりあ まちを紐解く調査からデザインをする傍ら、本物のトタンが表紙になったZINE〈WALL JAPAN〉をつくったり、友人と〈スナック知恵〉というスナックとポッドキャストをやったりしています。横浜在住。 よしかわなおや 展覧会や家具の設計、林業のリサーチなどを行う〈建築ダウナーズ〉のメンバー。〈トハナニカ書房〉構成員としてのZINE制作や、喫茶店で店主が留守の間、盆栽の世話をするイラストレーター。仙台在住。 [目次] 2023.11.26-2024.1.24 日記をつけることで前に進んでいるふりをする 本屋めぐりを言い訳に盛岡にいく 本屋はないが、本屋で流すプレイリストをつくる クリスマスはブックサンタ、年末年始はお笑い研究会 本屋の名前はLAZY BOOKSになりました フリーペーパーをつくることで締め切りをつくる [書誌情報] タイトル:本屋さんになりたいんだけど日記 著者:かねだゆりあ・よしかわなおや 出版社:LAZY BOOKS 刊行日:2024年5月19日 判型:B6変型判 頁数:252P
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愛の練習 / 中村季節
¥1,000
SOLD OUT
[内容] 『大工日記』の中村季節さんの、その後の日記ZINEです。 例によって自作のキャッチコピーにやられました! 「まっとうな恋愛経験をもちあわせぬ"私"が人生史上最大級の男前(通称みずなす)と出会いなんとかどうにかしてこの恋を永遠にすべしともがきながら旅をしたり丸太をはこんだりする日記です」 「(私の心叫び)いやいやいや。人生史上最大級の男前のあだ名がなんで「みずなす」なんだよ~。そしてやっぱり丸太運んでるじゃんよ~。恋しながら?ちょっと待ってよ。恋しながら丸太運んでるのかい?」 丸太を運んでいる件に関しては、処女作『大工日記』の方も併せて読んでいただくとして、問題なのは恋愛です。こんなにもトリッキーなシチュエーションの恋愛ドラマ(日記なので実人生です)なのに、恋をしたら誰もが感じるときめきと切なさが全篇に流れていて、胸がいっぱいになりました。 恋にはとんとご無沙汰な、私のような無粋な人間にも恋の瑞々しさを教えてくれました。ありがとう季節&みずなす! 余談ですが、表紙の犬の絵が可愛くて「シャンプーハットですか?」と作者の季節さんに尋ねたら「貴族の服の襟」とのことでした。どうしよう。喰らいました。「自分、いつまでも眠たいことしてたらダメっすよね」って、襟を正したい気持ちになりました。 [書誌情報] タイトル:愛の練習 著者:中村季節 刊行日:2025年4月6日 判型:文庫判/ZINE 頁数:118P
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35歳からの反抗期入門 / 碇雪恵
¥1,100
SOLD OUT
[内容] 価値観の変更を迫られる時期に差し掛かったら読んでみてほしい1冊です。 「誰に気兼ねする必要もないのに、自分のことを話す勇気がない。(略)ある時は妙に露悪的だったり、ある時は妙に相手に合わせたり。そうじゃなくて、自分が思っていることを普通に言えるようになりたい。そのためにはまず自分の気持ちを整理して把握しよう」 そういった意図で書き始められたブログに、加筆され誕生したZINEです。 「思春期にやり損ねた反抗期を遅ればせながらに体験」した著者の日常の考察が綴られていきます。私は著者と同じくY世代に女性として生まれたので、男性社会で生きていくうちに知らずに積もっていた息苦しさを言語化してくれてありがとうございます、という共感とともに読みました。 身辺日記を書き留め、内省していく過程で気づいた人生のルールや現象をシェアしてもらえる感覚が心地いいです。エリック・ホッファー『波止場日記』にも通じる日常生活から抽出された人生哲学はじんわりと身に沁みます。 「誰といても自分の振る舞いたいように振る舞えることの方が、私がひとりで頑なに守ろうとしている自由よりも、もっと自由なのかもしれない」 「誰かの作ったファンタジーが苦しさの原因だとしたら、私たちを縛ってきたファンタジーを一斉点検して、要らないものを捨てて、人生を自分の手に取り戻したい」 軽やかに生きたい、自由に生きたいという意志がくっきりとした形になっていく時の言葉が好きです。自分の体験を書いて位置づけ普遍化させる行為は、人生のスキルとしてすごく大切なだということを本書から学びました。 量産型の出版物やWEBとは違い、ちょうどよく閉じたZINE。私的な吐露や内省にも適したフォーマットでぜひ本書を読んでみて下さい。 [著者プロフィール] 碇 雪恵(いかり・ゆきえ) 北海道札幌市出身。出版取次会社や出版社での勤務経験を経てフリーランスに。ライター業や出版社の営業代行を請け負う傍ら、ウェブサイト『WEBmagazine温度』運営、新宿ゴールデン街「月に吠える」金曜担当。最新の自主制作本に二村ヒトシ『AV監督が映画を観て考えたフェミニズムとセックスと差別と』がある。 [書誌情報] タイトル:35歳からの反抗期入門 著者:碇雪恵 刊行日:2022年11月20日 判型:B6版/ZINE 頁数:126P [状態] 小口に若干汚れがあります。中身に書きこみや角折などはありません。
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どこでもいいからどこかへ行ってみんなで旅日記を書いてみた / みんなの日記サークル
¥1,000
SOLD OUT
[内容] この日記本は「みんなの日記サークル」という、下北沢にある日記専門書店〈日記屋月日〉さんでのワークショップから発生した日記を書く仲間だそうです。『15人で交換日記をつけてみた「日記をつける三ヶ月」のあとの三ヶ月』という本がまず出て、そのメンバーでつくった2冊目が本書です。 『東京の下北沢に「日記屋月日」という、日記だけを売っている本屋さんがあります。「日記をつける三ヶ月」というのは、そこで開催されている日記のワークショップの名前です。 このワークショップでは、15人が三ヶ月のあいだ、オンライン上の日記をお互いに読み合いながら日記を書く、ということをやります。2023年の11月から2024年の1月までの三ヶ月間、僕(pha)がファシリテーターとなって、この「日記をつける三ヶ月」のワークショップを行いました。1月にワークショップが終わったとき、もうこのメンバーで一緒に日記をつけるのが終わってしまうのは寂しい、という雰囲気になったので、このまま日記をつけ続けてZINEを作って文学フリマに出よう! という経緯でできたのがこの本です。』 『15人で交換日記をつけてみた「日記をつける三ヶ月」のあとの三ヶ月』まえがきより 本書のテーマは「旅日記」。半年間でどこかへ行った話を、参加者それぞれが書くというスタイル。14名による旅日記のアンソロジーです。「旅しばり」といっても、14人いれば14とおりのまったく違う旅が出現してくるのが面白いです。 富田ララフネさんの旅先は、順天堂医院。妻の出産に立ち会うという緊迫したドキュメントになっていて、父になる瞬間を描いた傑作。 和果さんは、大阪に住む祖母のところへ帰省。祖母と血の繋がりがないことに気付いたのは30歳。そこから始まる家族のヒストリーは、ドープですがとても印象的です。 Dさんは、萩で蟹を眺めていました。出雲大社で入った食堂で、出雲蕎麦が切れていた。スサノオラーメンしか出せなくて「ごめんね!」と食堂のおばちゃんに言われて、元々スサノオラーメン食べたかったっていう話が気になってしまいました。私も出雲に行ったときに、スサノオラーメンがすごく気になって食べそびれていたので。スサノオの剣のかたちをしたかまぼこが入ったラーメン。どんな味だったんでしょう。 qb.さんと空海さんは、日記サークルメンバーでの高円寺の朝活風景を。蟹ブックス、ヤンヤン、ネグラのコースが最高です。 [書誌情報] タイトル:どこでもいいからどこかへ行ってみんなで旅日記を書いてみた 著者:みんなの日記サークル ファシリテーター pha 刊行日:2024年12月1日 判型:B6版/ソフトカバー/ZINE 頁数:119P [状態] 良好状態です。画像でご確認下さい。中身に書きこみや角折などはありません。
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海のまちに暮らす / のもとしゅうへい
¥900
SOLD OUT
[あらすじ] 「この本に収録されている文章の多くは、真鶴へ移り住んだ2022年のあいだに書かれたものだ。当時は生活の移り変わりを記録することに少なからぬモチベーションがあった。自分のなかにある価値感の主軸が短いサイクルで目まぐるしく破壊され、新たにつくり替えられていく時期だった。その変化は働動的なエネルギーを伴ってい自分の身体を次なる興味へと引っ張っていく感覚があった。そしてその速度はおそらく一つの若さの姿として、あっという間に僕をこの町へ連れてきてしまったように思う。」 あとがきより 本好き、本屋さん好きなら、気になっている方も多いのではないでしょうか。「泊まれる出版社 真鶴出版」さんからリリースされた随筆集です。 真鶴で暮らした日々の生活を書き留めた全15話のエッセイが収録されています。2021年の秋。東京の美術大学を休学すると決めた著者。時代はコロナ禍。学校や会社の機能が麻痺していた、あの頃のことです。それまでは豊島区のワンルームで暮らしていた著者は、2022年に真鶴へ移住。 「神奈川県の南西から相模湾へ突き出した小さなでっぱり」のような真鶴市。人口6,000人ほどの静かな港町。寝室の障子をあけると海が見える平屋で始まった新しい暮らし。真鶴出版にインターン生として働いた日々が文章と4コマ漫画で綴られています。 [作者プロフィール] のもとしゅうへい 1999年高知県生まれ。2020年より企画・執筆・編集・装幀までのすべてを個人で手がけるセルフパブリッシングの活動を開始。2024年芸術総合誌『ユリイカ』による現代詩の年間新人賞「ユリイカの新人」に弱冠25歳で選出され話題に。著書に、小説『いっせいになにかがはじまる予感だけがする』。文筆のほか、イラストレーション、漫画、グラフィックデザインなどの制作を行う。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程在籍。 [書誌情報] タイトル:海のまちに暮らす 著者:のもとしゅうへい 装幀:のもとしゅうへい 出版社:真鶴出版 刊行日:2025年2月28日 判型:B6判 頁数:120P [状態] 表紙にヨゴレ、毛羽立ちがあります。画像でご確認下さい。中身に書きこみや角折などはありません。読んでいただく分には問題ありません。