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ルポ路上生活 / 國友公司
¥500
[内容] 本書は、東京五輪の開会式が行われた2021年7月から2ヶ月間、29歳の著者が東京23区内の6つのエリアでホームレス生活者とともに路上生活をした記録です。 東京都庁下、新宿駅西口地下、上野駅前、上野公園、隅田川高架下、荒川河川敷。 都内在住者なら、上記エリアでホームレスの方が暮らしているのを、見かけたことがあるのではないでしょうか。 ホームレスの方は一体どんな生活をしているのでしょうか? お金は? 毎日のスケジュールは? ごはんはどうしてるのでしょうか? 生活保護ってなんでしょう? などなど。家があって会社に勤める生活をしていたら、想像の及ばない路上生活。著者は体当たりで体験し、このルポにまとめたのです。凄い本です。 読み終えると、きっと路上を見る目が変わります。 [目次] 1章 東京西部編 ホームレス生活初日 同棲生活が始まる 衣服と生活用品の配給 代々木公園のクリシュナ カップ麺のお湯問題 区役所の無料シャワー 新宿三丁目のパン耳を拾いに ホームレスが路上から見る夢 黒綿棒が新宿に来た日 代々木公園の一斗缶へ ホームレスが炊き出しに呈する苦言 2章 東京東部編 上野駅前で寝床探し 手配師が私を惨めにさせる 上野のホームレスは手癖が悪い 首都高速六号向島線高架下 都内の炊き出しを歩いて回る鉄人 「ホームレスの命はどうでもいい」 上野駅前の寅さん 東京文化会館軒下 年金ホームレスは生活保護を受けない 宗教の研修に行くと千五百円もらえる 「施設から逃げてきた」 一日七食炊き出しツアー 新宿西口地下広場で鉄人を探せ ポケモンカードの転売屋 手配師の京太郎 3章 河川敷編 教会の小遣いでテントを買う 空き缶拾いで生きる 五輪より少年野球が怖い 何も知らないおとなりさん 台風十四号が河川敷を襲う [書誌情報] タイトル:ルポ路上生活 著者:國友公司 出版社:KADOKAWA 刊行日:2021年12月27日 判型:B6判/ソフトカバー 頁数:240P [状態] 表紙カバーの小口に若干ヨレがありますが、その他は良好です。ページ中面に書き込みや角折などありません。
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ハーレムの熱い日々 / 吉田ルイ子
¥300
[内容] 昨年(2024年5月)亡くなってしまった吉田ルイ子さんによる不朽の名作。60年代にフルブライト交換留学生として渡米し、ハーレムの黒人たちを被写体としたフォトジャーナリストに。偉大なる開拓者であり表現者です。 何種類もの肌の色が交錯する、アメリカの価値観と対峙する勇敢さ。安全な日本とは違う厳しい社会で、差別される側に立つ強さと優しさ。リアルな写真と、率直な語り口。50年経ったいまでも、その内容はまったく色褪せていません。 [書誌情報] タイトル:ハーレムの熱い日々 著者:吉田ルイ子 出版社:講談社(講談社文庫) 刊行日:1979年1月15日 判型:A6判/文庫 頁数:232P [状態] 表回りは良好です。中身に書き込みはありません。角折跡が3ヶ所あります。
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MIXTAPE IS LETTER / 萩田洋文
¥990
[内容] 様々に名前を変えて七変化的活動を続けている萩田洋文a.k.a古書自由 ツチノコ珈琲さんによる手製本です。なんとカセットテープ型のZINEです! 1960年代初頭に開発されたコンパクトカセットテープは、80年代初頭にCDが登場してもなお音楽録音で大活躍していました。人々はCDを借りてカセットに録音するとか、今思うと超めんどくさいことを嬉々としてやっていたのです。友達や恋人のために、自分でつくったミックステープを渡すという文化もありましたね。懐かしいです。 しかしレコードやCDとは並走してきたカセットテープですが、デジタル化が進み音楽配信の時代に突入した現在では、実用品としてはほとんど見かけることはなくなってしまいました。 このまま忘れられてしまうのかと思いきや……。時は経ち平成も終わって、すっかり令和。citypopやvaporwaveブームも相俟って、ノスタルジーを込めて振り返れ的にレトロガジェットとして見直されるようになってきました。 そんな昭和時代に大活躍した本物のカセットテープをリサイクルし、ひとつずつ手製で作られたZINEです。そうなんです、カセットテープの形をしたZINEなんですよ。中身はカセットテープではありません。カセットテープがパカッと開くようになっていて、中には蛇腹式に折りたたまれたZINEが入っていて、音楽にまつわる掌編とプレイリストが書かれています。 本体プラスチック部分は色々な色のバージョンがありますので、ガチャ式で何色が届くかお楽しみに! [書誌情報] タイトル:MIXTAPE IS LETTER 著者:萩田洋文 出版社:古書自由 製本:手製本 判型:100mm×63mm/カセットテープ 中身:蛇腹式ZINEが入っています
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菊池寛に灰皿を / 平沢二拍+萩田洋文
¥1,100
[あらすじ] 文藝春秋の創始者であり「文壇の大御所」と呼ばれた菊池寛。 彼は昭和の偉人であると同時に、昭和の奇人である。数々の逸話が残されているが、なかでもとりわけインパクトのあるエピソードは「愛煙家だったが灰皿を使う習慣がなく、自宅が煙草の焼け焦げだらけだった」というもの。 「どうして誰も菊池寛に灰皿をあげなかったのでしょうね。ここはひとつ我々で選んであげてはどうでしょう?」 令和の奇人である「古書自由」萩田洋文氏から、そのようなカーブボールを投げかけられた私は、菊池寛へ贈る灰皿を探しに東京を彷徨っていたのだが――。 [目次] 1章 ショート・ショート・トリップ 萩田洋文 菊池寛に灰皿を選んであげるのはどうでしょう かの文藝春秋の創始者として名を馳せる偉人 灰皿なんかなんぼあってもいいですからね 今までみたことのない数の灰皿が並んでいた 小売店ウィンドウの設置代金が六圓六十銭 『菊池寛に灰皿を』の表紙 2章 あらかじめ失われた旅人 平沢二拍 雑司ヶ谷の旧宅跡から告別式をした護国寺へ 小石川のテニスコートと團平坂に眠る白鳥の歌 見え隠れする文豪を追い坂道を行ったり来たり 金魚たちは失われていくが世界一の孔子像は健在 東京交通会館のアンテナショップで理性崩壊する ニュー鳥ぎんの焼き鳥とカフェーパウリスタ珈琲 [収録(言及)スポット] シュベール新大久保店/Kagaya/高松市立中央公園/ペコちゃんmilkyドーナツ 目白駅店/雑二ストアー/料亭跡 寛/雑司ヶ谷 菊池寛旧宅跡/護国寺/竹早テニスコート/石川啄木終焉の地 歌碑・顕彰室/フランス大衆食堂ブイヨン小石川/大塚仲町 大黒湯/こんにゃくえんま商店街/鳳明館/樋口一葉菊坂旧居跡/宮沢賢治下宿跡/喫茶・中国茶 金魚坂/東京大学総合研究博物館/インターメディアテク/世界最大の孔子像 湯島聖堂内/大学最中 本郷三原堂/東京交通会館/スパゲッティ ジャポネ/barルパン/ニュー鳥ぎん/カフェーパウリスタ [書誌情報] タイトル:菊池寛に灰皿を 著者:平沢二拍+萩田洋文 出版社:Nuts Book Stand 刊行日:2025年7月27日 判型:A6文庫判/ZINE 頁数:60P
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1973年の軟式野球ボール / 萩田洋文
¥990
SOLD OUT
[内容] ボロボロに風化した軟式野球ボールをフリマーケットで売っている人がいて、それを買った山下陽光さんがいて、それをもらった著者がいて、そこから始まる失われた野球の物語……。 誰かが草むらに忘れた軟式野球ボールと、誰かが切り抜いた1973年の新聞記事の邂逅。 "プレーの外にこぼれ、草むらに忘れられたボール。迷子のボールは、野球を見失ったとも言えるだろう。どこかの、いつかの、誰かの野球。河川敷で犬の散歩をする人が横目に眺める風景としての野球。ジョギングする人が通り過ぎる野球。橋梁を通過する電車の車窓から束の間、少し遠くに見える野球。世界そのもののような野球。草むらに忘れられた軟式野球ボールは、野球から遠く離れて、いつでも野球を俯瞰している。"「失われベースボールを求めて」より引用 [目次] 茂みの中のロストボール 失われベースボールを求めて 1973年の新聞切抜 この野球ではない 野球がない時代があった 世界のどこかで劇的な逆転劇が 野球のヒストリー 歓楽街の奥にある野球 軟式野球ボールは噴水の方へ落ちて行く [書誌情報] タイトル:1973年の軟式野球ボール 著者:萩田洋文 出版社:古書自由 刊行日:2025年7月3日 判型:A6文庫判/箔押カバー装 頁数:50P
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湖畔のサンドイッチ / 萩田洋文
¥1,430
[内容] 様々に名前を変えて七変化的活動を続けている萩田洋文a.k.a古書自由 ツチノコ珈琲さんによる奇想のZINEシリーズ。本作は奇想天外なルポルタージュ小説(?)です。何しろ型破りなので、名づけようのない作品なのです。 失くしたモッズパーカ(ミリタリーコート)の行方を追っているうちに、wikipediaにもgoogleマップにも載っていない幻の湖「空石湖」へと辿り着いた……。この摩訶不思議な物語は湖畔のホテルから幕を開ける。 モッズパーカを探して、栃木県足利市、新宿御苑、大井競馬場フリーマーケット、千駄ヶ谷、上野公園、アメ横を彷徨い歩いていく。通り過ぎていく過去の町、現実の記憶。そこに現れるのは「本空石駅」という、見知らぬ駅だった…… [目次] 眺めのいい客室 もとはと言えばモッズパーカ 事情のないクローゼット 見えないメガネ サンドイッチ公園 時のよどみの古本屋 花火がビートルズ 物語の圏外で 探し物は夏の向こう側に 待ち合わせらしい待ち合わせ 使途不明で意図不明 モッズパーカが陳列されたら秋 私には地図が必要だった 「空石湖」と名付けた 窓際に置いたペットボトルさえも 空石湖レイクホテル 二羽のカラスがネタ合わせ 湖畔のサンドイッチ 路上のシュルレアリスム展 [書誌情報] タイトル:湖畔のサンドイッチ 著者:萩田洋文 出版社:古書自由 刊行日:2024年5月5日 判型:A6文庫版/ソフトカバー 頁数:98P
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KEEP ON CLIMBING / LC協会
¥880
[内容] 様々に名前を変えて七変化的活動を続けている萩田洋文a.k.a古書自由 ツチノコ珈琲さんによる奇想のZINEシリーズ。めっちゃ面白いです! 今回は謎に包まれた「LC協会」という団体が著者になっているのですが……。「Lazy Climber(レイジークライマー)」直訳すると、「怠惰な登山者」。一体どういう団体なのでしょうか? "私が協会の存在を知ったのはロンドンのセシル・コートの古本屋で手に入れた『世界無精者研究』においてであった。山に登ることなく登山を成し遂げようと創意工夫を凝らす団体だ。1893年5月、登山用の装備を完全に済ませて、麓の登山口に寝転んで山を眺め、パイプをくわえながら想像の中で、彼らが「登頂」をはたした記録が残されている。実はこの協会、現在も存在しており私はその一員だ。本書は協会が訪日した際に試みたいくつかの「登山」の記録だ。ぜひ、どこかの山頂で読んで欲しいものである。"(まえがきより) さあ虚実皮膜の萩田ワールドで、登山バイブスを高めよう! [目次] 世界一を上る 世界一の山は日本に/山登りの作法/山頂の軽食/山に棲む生き物たち/アルプスを越え高尾へ/ポケットに山を忍ばせ 超低山を上る 世界の低山事情/圧倒的な日本の低山群/標高"ゼロ"メートル/浅草で超低山をめぐる/マボロシの三峰山/純喫茶マウンテン ホテルを上る 山に宿泊するためには/登山用具とギター/カレーライスと音楽/山の上ホテル/山の上モンブラン/601号室 ゲームを上る ファミコンの山登り/プレステの山登り/ネトゲの山登り/駄菓子屋ゲームの山登り/すすむ、もどる/10円でプレイ 水平山を上る 水閉山とは何なのか/中野ブロードウェイ/サンモール~中野通り/大久保通り~山手通り/青梅街道~淀橋/成子天神社の富士塚 [書誌情報] タイトル:KEEP ON CLIMBING 著者:LC協会 製作:萩田洋文 出版社:古書自由 刊行日:2022年10月10日 判型:A6判/文庫 頁数:72P
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失われたソフトドリンクを求めて / LSD製作委員会
¥1,430
[内容] 「フリップ」というソフトドリンクをご存知ですか? なにご存知ないですと? ではともに探しましょう。日本のどこかの古い喫茶店の片隅に、人知れず残っているかもしれません。どうしても見つけたいような、でも決して見つかって欲しくはないような。 「フリップよ、おまえはどこにいるのだ」 それはまるでかつて一世を風靡した「ツチノコ」のよう。制作名の「ツチノコ珈琲」とはまさにフリップのよう。一瞬のきらめきを世に放って消えていく儚い泡沫文化を追って、失くしてしまいそうな東京の街を巡るエッセイです。 事の発端は、著者が1950年代のレシピ本で見たことも聞いたこともないマボロシのソフトドリンクを見つけたことから始まります。姿を消したフリップを求めて街と喫茶店を巡り、三島由紀夫、梶井基次郎、伊丹十三、はっぴいえんどに思いを馳せる……。 "私はいつでも、物がそこに無いことばかり興味がある。また、そのことを扱うのにとても向いているのが文章なのだと思っている。文章とは、「いまここにそれがない」を表現するためにある。「テーブルの上に林檎がない」というこの短い一文をあらわす状態を、絵に描いたり、写真に撮ったりするとき、そこにはけっこうな困難が横たわっている。その困難を文章はいともたやすく軽やかに飛び越えていくことができるのだ"(あとがきより) [目次] 中野北口のルノアール 新宿西口のピース 池袋西口のフラミンゴ 東京医科大学病院のコメダ珈琲 西新宿の珈琲西部 浅草六区の音楽喫茶 コラム フリップの材料 [書誌情報] タイトル:失われたソフトドリンクを求めて 著者:LSD製作委員会 制作:ツチノコ珈琲 出版社:古書自由 刊行日:2024年7月7日 判型:A6文庫判/ZINE 頁数:150P
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宇宙喫茶・町田店 / 萩田洋文
¥990
[内容] 「俵万智が詠ったコーラの自動販売機をさがして」東京都町田市を彷徨い歩く、奇想の旅小説ZINEです! 探し物をしに町田へ。なぜか自販機をカスタムするのがやめられない。俵万智と沢田研二のTOKIOで空を飛び。城南信用金庫のショーウィンドウ、トレジャーファクトリー町田店、町田パリオ、町田仲見世商店街。現実世界の町田を彷徨う。虚実皮膜の唯一無二の世界観。 [目次] 古本と中古レコード 1995年某月某日 トーキング・アバウト・福生 あのグルーヴがずっと 俵万智が詠ったコーラの自販機 二本のコーラを飲んだ二人 町田の空飛ぶ宇宙喫茶店 2024年1月1日 2024年1月7日 城南信用金庫のショーウィンドウ トレジャーファクトリー町田店 「言葉にならない」を言葉に 2025年4月26日 町田パリオ 町田仲見世商店街 さがしものは町田にある 2025年5月23日 [書誌情報] タイトル:宇宙喫茶・町田店 著者:萩田洋文 出版社:古書自由 刊行日:2025年7月6日 判型:A6文庫判/ペーパーバック 頁数:60P
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文集ナンバー3工作セット / 萩田洋文
¥880
[内容] 様々に名前を変えて七変化的活動を続けている萩田洋文a.k.a古書自由 ツチノコ珈琲さんによる奇想のZINEシリーズ。こちらは切り離すことで完成する、工作型のZINEという趣向で、読者参加型です。 けっこう切り離すの大変そうです(笑) 私はたいへん不器用なのでそのまま読みました。器用な方は切ってみて下さい。短冊型の一筆箋みたいな縦長のZINE『端末の故障によって露にされた日常、さえも』『鳩アカデミーへの手紙』『紙の画廊』の3冊が生み出されます。 『端末の故障によって露にされた日常、さえも』は、「端末を地面にたたきつける代わりに、M・デュシャンを写経しませんか?」ということで、便器に『噴水(泉)』という題名をつけて展示し、レディメイドという概念を美術界にたたきつけたダダイズムの美術家マルセル・デュシャンの作品名の写経ができるZINEです。 『鳩アカデミーへの手紙』は手紙形式の小説です。 『紙の画廊』には赤線が引かれているのですが、これは著者が1冊1冊手書きで赤ボールペンで描いたそうです。なんでそんなことになっているかというのは、最後のページを読むまでわかりません。 私自身、この解説でいったい何を言ってるんだと思いましたが、かなり正確にお伝えしたつもりです(笑) 奇想の巨匠による風変わりなZINEです。お試しあれ! [書誌情報] タイトル:文集ナンバー3工作セット 制作:Fool & the Gag 発行者:萩田洋文 出版社:五十部上梓会/古書自由 刊行日:2022年3月3日 判型:A5判/ペーパーバック 頁数:60P
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LIFE HISTORY MIXTAPE 01 / 菊池謙太郎
¥1,500
[内容] 「ラップスタア誕生」のディレクターを務めた著者が、今を生きるラッパーたち10名へインタビューを敢行し、主に子供の頃の話を集めた生活史の聞き取り集です。 ラップのリリックは「リアルかどうか」が重視されます。つまりその言葉を吐く人間の、生活から、心の底から放たれた本物の言葉なのかどうか。 本書を読むと、それぞれに生まれ落ちた家庭環境の、子供にはどうしようもない歪みに立ち会ってきた様子がまざまざと伝わってきました。家庭の不和、両親の離婚、シングルマザー、貧困、転校、家庭内暴力など。機能不全家庭のなかでもがき、強さと優しさを覚えていく子供たちが、ラッパーになっていく様子は美しいです。 youtubeでMVなどを観ながら読むと、さらに楽しめると思います。彼ら・彼女らのリリックも聴きながら。色々なタイプのラッパーが一堂に会していて楽しめます。個人的には、CCG世代なのでNatural Pのドープなリリックや、lofiなビートが好きでした。 ヒップホップをあまり聞いたことがない本好きの方にもおすすめ。この本をきっかけにヒップホップアーティストの文学性に気づいてもらえたら嬉しいです。 [目次] EASTA Flashy Naked TOFU Natural P ratiff(Neibiss) Joseph Blackwell Ganafii Tepa Roucci SOMAOTA valknee [書誌情報] タイトル:LIFE HISTORY MIXTAPE 01 著者:菊池謙太郎 出版社:まわる書房 刊行日:2024年5月5日 判型:A6判/文庫 頁数:191P [状態] 良好です。中面にも書き込みや角折りはありません。
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小さな泊まれる出版社 / 真鶴出版
¥2,860
[内容] 神奈川県にある静かな港町・真鶴。条例として制定された「美の基準」を町の人々が大切に守り、現在まで続く美しい町並みが形成されています。そんな真鶴の町に遊びに行くときに、玄関口になってくれる心強い存在なのが ”小さな泊まれる出版社” 真鶴出版さん。 本書に出会ったのは横浜で開催されている「本は港」というイベントでした。「"泊まれる出版社"って、なんて面白そうなんだ!」と、居ても立っても居られずに泊まりに行きました。真鶴の町のガイド付きで、町の産物や美の条例のことなど、実際の町を歩きながら教えてもらえてとても楽しい時間を過ごせました。 そして泊まれる出版社は、贅沢なことに一棟丸ごと貸切でした。本書に掲載されている「真鶴出版2号店」をつくる物語で登場する、木造2階建ての家のコンセプトは「旅と移住の間」ということで、まさにそんな気持ちで泊まりました。 通りすがりの旅人よりも町にコミットしてみたい。でも移住なんて大それたことができるのかしら。そんな自分の居場所に対する揺れる思いを受け止めてくれる存在が、この泊まれる出版社なのです。 地球のどこかに自分たちのささやかで大切な居場所をつくること、自分たちの力で町に溶け込みともに地域をつくっていくこと、これからの時代にとってとても大切な行いを実践された記録です。 移住の話、ローカルビジネスの実践の話、出版社兼ゲストハウスをつくる話、かかったお金の話も赤裸々に書いて下さっているので、これからどこかのエリアで何か始めてみたい方にも大変参考になると思います。 真鶴出版さんは、今年(2025年)10周年を迎えます。 *真鶴出版さんの作品はamazonなどのマンモス流通には乗せず、ローカルorインディペンデントな人々により読者のみなさまひとりひとりに手渡すように届けられています* [目次] はじめに column 真鶴のこと 泊まれる出版社をつくる プロジェクトメンバー 1 真鶴に来るまで 2 泊まれる出版社のはじまり 3 背戸道の家とトミトアーキテクチャ 4 どんな場所にするのか? 5 怒涛の工事期間 資料 設計図の変遷 資料 予算と実績 資料 スケジュール column 『美の基準』のこと 小さな町で見つけた未来 対談 コトと向き合う建築家(建築家・トミトアーキテクチャ) 対談 ポップとソーシャルのあいだ(写真家・MOTOKO) 細部にある物語 建築写真(写真家・小川重雄) おわりに [書誌情報] タイトル:小さな泊まれる出版社 著者:川口瞬、來住友美 出版社:真鶴出版 刊行日:2019年12月20日 判型:A5変形判/ソフトカバー 頁数:176P
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最小文化複合施設 / HAGISO
¥3,300
[内容] 本書に初めて出会ったのは、TOKYO ART BOOK FAIRでした。『最小文化複合施設』というタイトルに惹かれて購入し、一気に読んでしまいました! 谷中にある築68年の木造アパートを改修した〈HAGISO〉は、カフェやギャラリー、ホテルのレセプションなどが入った最小文化複合施設として誕生しました。10年刊の歩みを綴った本書は、その物語もさることながら、インタビューあり図版あり対談ありで、立体的にHAGISOを解剖していて、本としてのクオリティが抜群なんですよね。 それもそのはず。編集を担ったのは、"泊まれる出版社"の真鶴出版さん。ローカルビジネスの担い手たちのこだわりが詰まった本書は、「本として作られる価値のある」珠玉の1冊です。 *真鶴出版さんの作品はamazonなどのマンモス流通には乗せず、ローカルorインディペンデントな人々により読者のみなさまひとりひとりに手渡すように届けられています* [公式HP情報] ―たまたま住んだ一軒のアパートからはじまる、東京・谷中の物語― 東京・谷中で、空き家と出会ってはお店をつくり、自ら運営まで担う建築事務所・HAGISO。 今や谷中を中心に8店舗を展開する彼らが、どうやって地域に根ざし、広がっていったのか。偶然を積み重ねて見えてきた、試行錯誤の10年の記録です。 ただ10年を振り返るだけでなく、さまざまな角度からHAGISOを語る視点を取り入れました。関係する人たちへの取材をまとめた「インタビュー」や、アトリエ・ワン・塚本由晴氏をはじめとした四つの「対談」、図面から各店舗を分析する「おみせ大解剖」、家で楽しめるHAGISOの定番メニューの「レシピ」。さらには、HAGISOのお金まわりの話も載せた秘密の「袋とじ」(!)まで。380ページを超える大ボリュームです。 編集・発売元は真鶴出版。小さな出版社だからこそできる試みとして、HAGISOの由来となった「萩」の葉で、スピン(栞紐)を草木染めしています。 さまざまな「ローカル」で活動する人たち必読の一冊! [書誌情報] タイトル:最小文化複合施設 著者:宮崎 晃吉、顧 彬彬 発行元:株式会社HAGISO 発売元:真鶴出版 刊行日:2024年11月7日 判型:A5変形+スリーブ+袋綴じ+草木染めスピン 頁数:388P
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足摺り水族館 / panpanya
¥1,000
[内容] 生きているように町を描くpanpanyaさんの1冊目の単行本です。 『足摺り水族館』というタイトルは、高知県に実在する〈足摺海底館〉です。短編のなかにサブリミナル効果のように差し挟まれる足摺(実際に行ったエッセイもあります)が、現実のことですが夢のよう。 個人的には「完全商店街」が好きです。 "無いものは無い この世に存在するありとあらゆるものが並び 手に入る商店街さ 古いもの 新しいもの 珍しいもの 失われたもの 忘れられたもの 見知らぬもの… おつかいに困った子供はみんなそこへいくんだ" おつかいに困った主人公は完全商店街を探して歩いていきます。狭い路地、空中を飛び交う看板、薄暗くて古ぼけた街並み。完全商店街はマボロシのようでいて、むかしのアジアのようでもあり、懐かしさにむせ返りそうになります。 [目次] 足摺り水族館 / 完全商店街 / すごろく / 新しい世界 / イノセントワールド / 二〇一二年四月一七日の夢 / 足摺り水族館 / 冥途 / スプートニク / 無題 / マシン時代の動物たち / 足摺り水族館 / 君の魚 / エンディングテーマ [書誌情報] タイトル:足摺り水族館 著者:panpanya 出版社:1月と7月 刊行日:2013年8月31日 判型:B6判/ビニールカバー付 頁数:324P [状態] 良好です。中面にも書き込みや角折れなどありません。
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旅情5 町 / 足立巻一ほか
¥800
[内容] 中江俊夫という詩人の「街」からの引用「私の内に 街がある 独りの 別の 街がある」で幕を開ける本書は、1969年に刊行された旅行ブックのシリーズ5巻目です。 1969年と言えば、東海道新幹線が開通した年。続く70年には大阪万博が開催されます。そして国鉄により「ディスカバー・ジャパン(DISCOVER JAPAN)~美しい日本と私~」という日本旅行史に残る一大キャンペーンが打たれ、それまで団体旅行しか経験のなかった日本人に個人旅行ブームが到来します。 70年代初頭の"旅行熱"。日本のローカルを再発見するという、現在までつづく国内旅行の視座を養った時期とも言えるのではないでしょうか。 本書には、高度成長し都市化していく日本が、故郷に置き忘れてしまいそうになった原風景が詰まっています。町をスケッチしたような文章が美しいです。 [目次] 北国の港町 函館 小樽 僕の札幌 炭鉱の町 夕張 花と流氷のオホツクの町々 霧の町、釧路 青森 弘前と津軽 藤原氏三代の栄華と平泉 『遠野物語』の町 北国の城下町 角舘 水戸 鎌倉 蔵造りのある町、川越 『雪国』に描かれた湯沢町 雪の十日町 『夜明け前』の舞台、馬籠 絵島ゆかりの城下町 高遠 山の見える町、松本 小浜 丹波篠山 高山 輪島 金沢に想う 犀川 城下町伊賀上野 播州路の四つの旅情 ナマコ壁と民芸の町 倉敷 みずうみと風花の町、松江 豊岡 矢掛の宿場にて 奥津温泉のことなど 備中高梁 尾道 津和野にて 夏蜜柑の花におう長州萩 陽気な町、宇和島 古風な大州の町 長崎手帖 坊津 白秋の故郷、柳川 ふるさと平戸 荒城を残す、豊後竹田 [書誌情報] タイトル:旅情5 町 著者:足立巻一ほか 出版社:主婦と生活社 刊行日:1969年3月15日 判型:142mm×170mm/ソフトカバー 頁数:179P [状態] 経年劣化によるシミ、日焼け、細かい汚れなどあります。中面に書き込みなどはありません。蔵書印あり。
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熊に触れる / 山田健太郎
¥550
SOLD OUT
[内容] 高校生の頃に、香川に住んでいた著者。東日本大震災が起きたことがきっかけで東北に興味を持つようになり、大学時代に東北を3度訪問します。そんな東北へのひとり旅の最中にマタギの宿に泊まったことがきっかけとなって、移住してマタギになることを心に決めます。 マタギ発祥の地と言われる秋田県阿仁町。「阿仁マタギ」として有名な集落に、著者は2020年に移住しマタギの修行を開始。熊の肉は流通されますが、皮は捨てられてしまうことも多いのだそうです。熊の皮を革製品にする技術も、このまま時代が過ぎてしまえば忘れられていくのではないかという危機感を覚えた著者は、2024年には阿仁を出て事業を始めます。 その顛末が綴られたのが『授かりものでできている』 https://nutsbook.base.shop/items/115878718 そして続編にあたる本書では、実際の熊の解体風景や革製品に加工するまでの工程などが、写真付きでレポートされています。 失われつつあるマタギの豊潤な文化。ぜひご覧ください。 [書誌情報] タイトル:熊に触れる本 著者:山田健太郎 刊行日:2024年9月9日 判型:120mm×120mm/ZINE 頁数:36P
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授かりものでできている / 山田健太郎
¥550
SOLD OUT
[内容] マタギ発祥の地と言われる秋田県阿仁町。「阿仁マタギ」として有名な集落に、著者は2020年に移住しマタギの修行を開始。熊の肉は流通されますが、皮は捨てられてしまうことも多いのだそうです。熊の皮を革製品にする技術も、このまま時代が過ぎてしまえば忘れられていくのではないかという危機感を覚えた著者は、2024年には阿仁を出て事業を始めます。 ZINEの本編には、熊皮の事業をする日々の出来事や心境が綴られています。 「撃った人が獲ったのではなく、山の神様から授かった。」というマタギの考え方に共鳴したり、自分のやっていることが"良いこと"なのかという迷いなどが率直描かれていて、心を揺さぶられます。 別紙A4両面刷りのプロローグには、なぜマタギに魅せられたのかという出会いの頃の話が描かれていて、併せて読むと、マタギという奥深い文化が放つ吸引力の強さに驚かされます。 高校生の頃に、香川に住んでいた著者。東日本大震災が起きたことがきっかけで東北に興味を持つようになり、大学時代に東北を3度訪問します。そんな東北へのひとり旅の最中にマタギの宿に泊まったことがきっかけとなって、移住してマタギになることを心に決めます。A4用紙1枚のなかに人生の転換期の揺れや決意が閉じ込められた、素晴らしい文章です。 [書誌情報] タイトル:授かりものでできている 著者:山田健太郎 刊行日:2024年5月19日 判型:A6文庫判/ZINE 頁数:72P 特典:A4紙 1枚プロローグ
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武蔵野 / 斎藤潤一郎
¥400
[内容] 「多摩川の中流や、武蔵野線・南武線沿線の地域には、田舎のような郷愁を感じるわけでもなく、下町のような情緒もない、只、時代に取り残された殺伐とした景色が広がっている。早朝の多摩川で対岸の景色を眺めているだけで寂しさがこみ上げてくるような。」(まえがきより) 多摩。武蔵野。郊外。風情はないが生活のある町を歩いた漫画旅エッセイです。 令和のつげ義春。底なしの暗さが、たまらないです。 [目次] 高麗/秋津駅⇄新秋津駅/北朝霞/小野路(多摩丘陵)/横浜/羽村市動物公園/江東区/沼南/夏/府中本町 特別収録 縄文ZINE版「武蔵野」 [書誌情報] タイトル:武蔵野 著者:斎藤潤一郎 出版社:リイド社 刊行日:2022年12月9日 判型:B6判/ソフトカバー 頁数:256P [状態] 良好です。中面にも書き込みや角折りなどありません。
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ニッポン桃源郷案内 すごろく旅行のすすめ / 石川浩司
¥3,000
[内容] 「さよなら人類」でお馴染みのバンドたまのランニングこと石川浩司による、日本の奇妙な観光地の案内書です。 キレキレの装丁は、ぬまげんこと沼田元氣。なんとも豪華な取り合わせのレア古本です。 都築響一さんがSPAで『珍日本紀行』の連載を開始したのが1993年なので、「珍スポット」ブームがじわじわ到来していた頃の企画でしょう。 ムー大陸博物館やルーブル彫刻美術館など、珍スポットブーム初期に名を馳せた名物物件も多数収録されています。 脱力した文章と、すごろく任せな風来坊な旅も相性抜群。最高です。 [目次] 第一章 日本キテレツ観光地23選 ムー大陸博物館/国民宿舎・甑島荘/高島/湯布川渓谷/カブトガニ博物館/COWBOY/飛田新地/社交ダンスホール・ワールド/宇野ハウスと、その近くの床屋/ルーブル彫刻美術館/桃太郎神社/起こし太鼓会館/庶民館/新野の盆踊り/新湊のフェリー/珍木館/腰越美術館/江の島の尻船/行川アイランド/秩父・人面亀/戦争博物館/赤岩集落阿部さん宅/夏泊半島民宿S 第二章 すごろく旅行記 [書誌情報] タイトル:ニッポン桃源郷案内 すごろく旅行のすすめ 著者:石川浩司 装丁:沼田元氣 装画:秋山亜由子 出版社:筑摩書房 刊行日:1996年3月1日 判型:B6判/ソフトカバー 頁数:238P [状態] 表紙に経年による若干ヨゴレありますが、良好です。中面にも書き込み角折りなどありません。
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北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本 / 室橋裕和
¥1,300
[内容] 群馬県高崎市から茨城県鉾田市まで北関東を横断する国道354号線は、外国人コミュニティが多数存在するいわば「エスニック国道」だといいます。 モスクの間借りカレー、技能実習生メシ、中古車オークションとパキスタン料理などなど。北関東のミックスカルチャーを存分に堪能できる読み応えのある1冊です。 茨城の「亀仙人街」に行きたいです。 [目次] 第一章 伊勢崎 バブルが異国の風を運んできた 第二章 太田・大泉 よそものたちがつくった街 第三章 館林 カレーの香りの向こうに難民 第四章 小山 宴は中古車オークションのあとで 第五章 古河 畑の中にぽつんとアジアン長屋 第六章 境 食べて、祈って、集まって 第七章 坂東 外国人が日本の土を守る 第八章 常総 亀仙人街は今日も大賑わい 第九章 土浦・笠間 農村から聞こえるタイ演歌 第十章 鉾田 エスニック国道の果てに コラム 北関東ダイバーシティの原点は渋沢栄一にある? コラム 急激な国際化の裏にあるもの コラム 「フホー」に支えられる茨城の農業 [書誌情報] タイトル:北関東の異界 エスニック国道354号線 絶品メシとリアル日本 著者:室橋裕和 出版社:新潮社 刊行日:2023年3月17日 判型:B6判/ソフトカバー 頁数:288P [状態] 良好です
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チョンキンマンションのボスは知っている / 小川さやか
¥1,200
[内容] めちゃくちゃ面白いです! 本書は、第8回河合隼雄学芸賞、第51回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞しています。 サブタイトルに「アングラ経済の人類学」と謳われているように、著者は文化人類学の研究者なのですが、人類学を学んだことがなくても大丈夫。知らない世界のノンフィクション読み物としてぐんぐん読めてしまいます。 調査対象(というより潜入先みたいな感じ!)は、香港の魔窟のような怪しさを放つ雑居ビル「重慶大厦 チョンキンマンション」です。裏稼業、金儲け、ブローカー、愛、友情、母国。さまざまなテーマから切り込んで立体的に描き出される、香港に住むアフリカ移民の逞しい世界。 ドラマかと思うようなアングラ世界の日常が、丁寧なフィールドワークによって筆写されています。 [公式HPより] 香港のタンザニア人ビジネスマンの生活は、日本の常識から見れば「まさか!」の連続。交易人、難民をも巻きこんだ独自の互助組合、信用システム、SNSによるシェア経済…。既存の制度に期待しない人々が見出した、合理的で可能性に満ちた有り様とは。閉塞した日本の状況を打破するヒントに満ちた一冊。 [著者プロフィール] 1978年愛知県生まれ。専門は文化人類学、アフリカ研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程指導認定退学。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員、国立民族学博物館研究戦略センター機関研究員、同センター助教、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授を経て、現在同研究科教授。『都市を生きぬくための狡知 タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)で、2011年サントリー学芸賞(社会・風俗部門)、『チョンキンマンションのボスは知っている アングラ経済の人類学』(春秋社)で、2020年、第8回河合隼雄学芸賞、第51回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。そのほかの著書に『「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済』(光文社新書)がある。 [書誌情報] タイトル:チョンキンマンションのボスは知っている 著者:小川さやか 出版社:春秋社 刊行日:2019年7月30日 判型:B6判/ハードカバー 頁数:273P [状態] 良好です
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明るい水 / 中村道子(道草書店)
¥1,000
[内容] 「忙しい町」である東京から「美しい町」真鶴へと家族で移住し〈道草書店〉という本屋を開いた店主による、幼い頃から現在までの日々を振り返ったエッセイ集です。 人口6,000人ほどの神奈川にある風光明媚な港町・真鶴。東京から移住した一組の夫婦は子育てをしながら地域で暮らしていくため、真鶴に1軒しかなかった本屋の閉店を知り、町の本屋を始めることになったそうです。 まず暮らしがあり、それから家族で何ができるか仕事を探す。その結果が本屋。素敵じゃないですか。 そんな真鶴での新しい書店の日々の出来事に、重低音のように鳴り響く過去の記憶。 生家は文京区の蕎麦屋。お客さん水をこぼしてしまうんじゃないかと怯えていたという少し不器用な少女時代。大晦日の年越し蕎麦。 父親と見に行った新日本プロレス。蝶野正洋のボディーガードに顔面を貼り倒されるという幼き日の衝撃体験。自死を選んだ父の最後に見た景色をともにするため空の浴室に座りこむ記憶。 自営業で苦労してきた母。少しずつ死んでいく母を看取るということ。 介護、子育て、うつ病、自殺、移住。 一度きりの個別な体験のなかに、現代日本の抱える苦悩が浮かび上がってきます。ドープな話もからりとした筆で書かれているので、タイトルの「明るい水」というのが胸に刺さります。 [目次] はじめに 猫と弔い 忙しい町 不在 小さな灯 長い夜 生きている死者 決意というには明るすぎる水 日記 おわりに [書誌情報] タイトル:明るい水 編者:中村道子 出版社:道草書店 刊行日:2024年4月23日 判型:A5判/ZINE 頁数:148P [状態] 印刷段階で見出しなどが若干ズレている箇所があるためアウトレット版の価格になっています。
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八画文化会館叢書vol.07 矛盾不純 八画文化会館OFFICIAL FAN BOOK / 石川春菜・小磯竜也
¥1,100
[内容] 2010年5月に活動を開始した八画文化会館が6年目の、まったく節目の年ではない時期に出版した恥ずかしいファンブックです。 編集部の取材記録の中から厳選して、路上からはみ出しているSEX、ニセモノ、交通安全の写真を中心に構成したアートブックを小磯竜也の斬新なアートワークスでお届けします。 作文につきましては、編集長の石川が矛盾や不純を抱えながら本をつくってきた制作の裏側について書きました。 [目次] 第1章 AVメーカー事務所の片隅から 新宿のはずれ、大久保の雑居ビルにて 気鋭のイラストレーター小磯竜也との出会い 自由の矛盾と金儲けの不純 第2章 28歳、私「あっち側」へ行ってきます 酒井竜次の4年ごとに負けるストーリー ジュンク堂新宿店「ふるさとの棚」の無責任編集 『愛知県漂流』に揺さぶられて 赤信号を渡って『八画文化会館』に向かう 第3章 私の答えはただひとつ、続けること。 「ない」ものを数えて「ある」ものまで失くす毎日 とにかく続けること 解説 山内哲也 [書誌情報] タイトル:八画文化会館叢書vol.07 矛盾不純 八画文化会館OFFICIAL FAN BOOK 著者:石川春菜・小磯竜也 出版社:八画出版部 刊行日:2016年8月 判型:A5判 頁数:32P
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文の四文屋 / じぇっきゃ
¥1,000
SOLD OUT
[内容] SNSで見かけて「吞兵衛にはたまらなく面白そう!ん!!執筆人豪華すぎん!?」ってなって読みたいと思っていたZINEを入手! 高円寺の「ほんの通り道」に出店されていた編者のじぇっきゃさんにお願いして、仕入れさせていただきました。 本書は、居酒屋グループ〈四文屋〉を愛する15名による非公式エッセイ&小説のアンソロジー。 まぁまぁ一杯やりながら、豪華な目次をご覧くださいよ。吞兵衛は吞兵衛の話が好きなんですよ。 「友達の友達は友達」の法則でどんどん増えたり、マッチングアプリで出会って一夜をともにしたり、四文屋でプロポーズしたり、ライフスタイルが変わって子供連れでも呑めたり、もう最終的には酒を吞まなくても時間を過ごせたり。 四文屋で繰り広げられる、人生の美しきワンシーン。 ひとりで、友達と、家族で。呑兵衛たちの人生は、いつだって四文屋という楽園が舞台なんです。四文屋で読んでもよし。読み終わってから四文屋に行くもよし。四文屋帰りに読むもよし。 15本の文章はどれも素晴らしく面白いもので選びきれませんが、3つだけ感想を。 スズキナオさんとのコンビでチェアリングを提唱されていたり、フリースタイルな酒の道を邁進されている酒場ライターのパリッコさん。何度か酒の席でご一緒させていただく機会に恵まれ、その自由でほがらかな飲み方に感銘を受けました。巻頭を飾った「ガード下の煮込みライス」は、青春時代を過ごした高円寺の四文屋の話。必ず煮たまごを添えて頼む「もつ煮込み」や、「煮込みライス」など頼んでみたいメニューがたくさん登場して、すぐにでも四文屋へ行きたくなってしまいました。 冬蜂さんの「マッチ・イン・ザ・ライフ」は、マチアプで知り合った女の子と四文屋で飲んだ日々の回想録。セフレがセフレを紹介してくれるっていう謎すぎる展開に目が点。AVの数珠つなぎ企画モノでも見ているようです。酒場のリアルはフィクションを越えていきました。 じぇっきゃさんの「あとがきにかえて」では、荻窪店の記念すべき第1号目のお客さんとして入店した日が描かれています。四文屋ファンの気合の入ったエッセイで、トリを飾るのにふさわしい愛に溢れた〆の一篇です。 [目次] パリッコ「ガード下の煮込みライス」 武塙麻衣子「お正月に四文屋で話したこと」 むま「四文屋の二人のこと」 西川タイジ「琥珀色」 しらい弁当「四文屋日記」 武内庶民「There is 四文屋 That Never Goes Out」 ヤナイユキコ「ゴールデンタイム」 はせおやさい「四文屋、いつもありがとうの話」 武田俊「梅割り越しに見ていた」 木山映「ウーロン茶で過ごす四文屋」 神田匠「リズムとテクスチャー」 づま「無題日記~四文屋編~」 冬蜂「マッチ・イン・ザ・ライフ」 春野ほこり「下戸の四文屋」 じぇっきゃ「あとがきにかえて」 [書誌情報] タイトル:文の四文屋 編者:じぇっきゃ 刊行日:2025年5月11日 判型:A5判/ZINE 頁数:108P